98サルベージの手法と料金設定について
「98サルベージ」と「メディア変換」は、お蔭様で好評でございます。と、同時にお問い合わせも多いです。
そこで、簡単ではございますが説明させていただきます。

吸い上げの手法
旧98のHDDの内容を何らかの方法で Windows機(DOS/V機)に吸い上げる必要があります。
吸い上げてしまえば、CD-RWに書き込むのは容易いことですが、問題はその吸い上げ方法ですね。

LAN手法
ターゲットにLANボード増設・LANマネージャ組み込みを行い、社内LANに参加させて吸い上げます。
但し、機種によってはコンベンショナリメモリが不足し、LANマネージャを組み込むことが出来ないことがあります。
HMA、UMB、XMS、EMSメモリを駆使しても無理な場合があります。(特に80286以前のCPU)
また、autoexec.bat、config.sysの書き換えが必要になります。
即ち、本来の環境に変更を加えた状態で吸い上げることになります。
※懐かしい用語が出てきましたね。覚えていますか?

残念ながら、弊社には98バス用のLANボードしかありません。
初代DynaBook(ダイナブック)やPanacomなどの場合は、次のRS-232Cの手法を使うことになります。

RS-232C手法
弊社所有のRS-232C(シリアル)通信ツールで、社内LANに参加している「吸い上げ専用98機」に吸い上げます。
通信ツールは、FD起動で行いますので、本来の環境に何ら変更を加えることなく吸い上げることができます。
従って、弊社のサルベージのほとんどは、この手法を使っております。
欠点は、吸い上げ(通信)速度が遅いことです。

転送速度 19,200bps が可能とした場合、80MのHDDの使用率50%と仮定しますと
   19,200bps/8bit=2,400バイト
   2,400*(7/8)=2,100バイト(7ビット転送)
   41,943,040バイト/2,100バイト/3,600秒=約5時間30分
単純計算でもこれだけ時間がかかってしまいます。
パーテーション分割がありますと、バッチを組む等の準備作業も必要です。
また、ターゲットによっては 転送速度 9,600bps でも通信エラーが発生する場合もあります。
最後の最後で通信エラーが発生しますと、最初からやり直しです(T-T)。

FD手法
LANもRS-232Cも駄目な場合の最終手段として、FDで吸い上げます。
手法としては一番単純ですが、HDD丸ごと吸い上げるとなりますと、大変な時間と労力を要します。
弊社としても出来るだけ受けたくない手法ですので、特殊料金とさせていただいております。m(_ _)m

HDD増設手法
ターゲット本体(マザーなど)が故障してしまった場合には、HDDを「吸い上げ専用98機」に増設して吸い上げます。
しかし、HDD増設といいましても、内蔵と外付けでは手法がかわります。

当時のHDDは、SASISCSIに分かれておりますし、SASIでありながらSCSI規格のHDDも存在します。
機種によっては特殊なコネクタ形状がありますので、必ずしも増設できるとは限りません。

外付けHDDの場合は、専用インターフェイスボードとHDD、取説をセットで考えなければなりません。

FDD無し、FDDインターフェイス無し、RS-232Cコネクタ無しなどの特殊なPCは・・・一度ご相談下さい。


料金設定
これらのサービスの開始当時は、実作業工数(かかった時間)で設定しておりました。

メディア変換(5インチFD → 3.5インチFD)の場合、ライトプロテクトの確認、対応チェック、出し入れなどの細かい作業があります。
作業を平均しますと、フロッピー1枚あたり 6〜8分かかりますので、1時間に 7〜10枚 の作業となります。
1日(8時間)の作業では、56〜80枚と差が大きくなり、最終金額もまちまちでした。
そこで、工数の時間単価 を基準にし、平均 8枚/時 にて料金設定することにしました。

サルベージの場合、つい最近まで実作業工数で設定しておりました。
しかし、これもケース・バイ・ケースで作業工数の差が大きくなります。
特にRS-232C手法は、セッティングが済み、バッチの作成が済みましたら、つきっきりになる必要がありません。
とはいうものの、通信エラーのチェックは必要です。
セッティング、バッチ作成・テスト、チェックに何分と、実際の作業工数を細かく記録・算出することも困難です。
お客様の立場から考えますと、高級寿司店のように時価では不安でしょうし、本当かと疑心暗鬼にもなるでしょう。
逆に、弊社としましても「やってみるまではわからない」では見積もりすらできません。

そこで、メディア変換の料金にあわせて、1MByte単位で料金設定をさせていただきました。
また、機器設置やCD-RW書き込みなどの作業工賃も規定致しました。